• blog
  • 30日目

    アヒルの卵を温めて30日目でした。

    アヒルは28日で生まれるので2日も過ぎていましたし、予定日の5日前から少しも動かないので思い切って気室(卵の鋭利ではない方)に穴を開けて中の様子を見て見ました。生きていれば鼓動が確認できるらしいです。

    ピンセットで少しずつ穴を開けると一枚の膜の向こうに黄色い羽のひよこが見えました。合鴨と一緒に育てているアヒルの有精卵だったので何色かは孵化するまでわからないと言われて頂きました。黄色いひよこということは望んでいた白色のアヒルだったんだなと思いました。動いていて欲しいと思う気持ちで20分くらいじーっと観察しましたがヒヨコは動いていませんでした。卵の中で孵化できずに雛が死んでしまうことを死篭りといいます。

    孵化器から出している間の20分間は部屋の温度を30度にしていました。もう死んでしまっている事を確認した後、冷房を付けました。この30日間は孵化器の温度と同じくらい孵化器を置いているこの部屋の温度も調節していました。

    死んでしまっている卵は明日埋めようと卵を持ってキッチンに移動しました。キッチンペーパーにくるんで輪ゴムで固定してビニールの上に置いて何が良くなかったのか考えました。

    今思うと揺れていた時に転卵を止めればよかったのかもしれない…でもその時はまだ予定日の5日まえでした。25日の間3時間ごとに卵を90度転卵してきました。転卵付きの孵化器は1時間ごとに転卵するらしいです。6時間に1度の転卵でも大丈夫という情報をもとに私の孵化器は転卵機能がついていなかったので目覚まし時計をかけて自分で3時間ごとに転卵していました。45度だったらよかったのかもしれない。肺呼吸に変わってから動かしたことで窒息してしまったのかもしれない。水鳥の孵化器の中は湿度を高く保たなければいけないのでタオルを濡らして6時間ごとに入れていました。それが3時間ごとなら良かったのかもしれない。

    卵が動いていたので孵化の5日まえは生きていました。そう思うと胸が張り裂けそうです。

    虹の橋の話とかお墓を作って供養したりは全部私の気持ちは報われるけどそれは孵化するはずだったのに中止卵にしてしまったわたしにとっては凄く勝手な考え方だと思います。孵化したかったけど孵化できなかった卵はまったく救われません。悲しいのは卵の方です。ただただ卵に申し訳ない気持ちでいっぱいです。アヒルを楽しみにしていたエースにも申し訳ないです。

    卵はこんな事を望んでないのは知っているけどアヒルと遊びたかったエースの為に祭壇を作ることにしました。

    エースには検卵の時に卵を嗅がせて居たので不思議そうに土の中の卵を見つめていました。しばらく見つめていました。

    卵を埋める時に羽の色と同じ黄色い花を植えました。エースくんが香っていました。エースくんの横顔を見ていたらまた申し訳ない気持ちになりました。

    お世話できなかった分、季節のお花をお供えしたりしてあげたいと思います。人工孵化させる資格はわたしには無いと思ったので孵化にチャレンジすることはもう無いと思います。でももう一度アヒルについて勉強し直して反省したいと思います。

    私が生まれた時から実家にはカナリアとウズラが居ました。今もカナリヤは居ます。だから鳥は大丈夫。私は孵化させることが出来る。と根拠のない自信がありました。水鳥とは暮らしたこと無いのに。その慢心な考えが中止卵にしてしまった1番の原因のような気がします。そのような考えで私は今までも仕事やプライベートで失敗しているな、と心当たりがあります。

    動物の一生を身近に感じることでいつも私は勉強させられます。今回の卵からもたった30日のでしたが、特に最後の5日間は私自身の考え方や生き方を振り返ることになりました。

    アヒルの孵化についてアドバイスしてくれた方、励ましてくれた方、見守っていてくれた方、優しいコメントをくれた方、ありがとうございました