私はリトグラフとシルクスクリーンという2つの版種を制作しています。
版種によってインクも刷り方も違うので、当然紙もリトとシルクによって変えています。
昨今の画材のコストが上がっている中で、おすすめの版画紙を見つけたのでご紹介します!
私はいまだに刷りを20枚通して10枚ボツにしたりします。普通に。笑
美しくするのも難しいし、思ってた色と違ってやり直しもあるし、5版とか重ねていく中でズレて失敗もあります。
ボツにするたびに「紙も高いのに」と悲しくなります。
今まで使っていた版画紙が値上げしたタイミングで違う版画紙を探しました。
コスト重視しすぎても刷りの仕上がりが悪いものは絶対に嫌。私の版画は細かい線だったり多色刷りが基本なので耐えれる紙でないといけません。そこでリトグラフ用に買った『アルデバラン』という紙が全部の条件をクリアしていました。
しかし。私がすごーくお勧めしたいのはリトではなく、このアルデバランを使用したシルク刷りです。↓

このシルク作品は6版刷りでアルデバランを使用しています。
インクの滲みも無いし、引きで見ても発色は美しいです。
ただ、初めてシルクで刷った時はリトとは違って扱いづらいかな?と一瞬思いました。
なぜかというとアルデバランの表面の小さな凹の部分にインクが入らない箇所があったからです。
版画紙なので上からプレスされる分には問題なくフラットにすれても、シルクのように横からスキージで表面を撫でるとポコポコして見えました。
でも2版目を上から重ねると、面白いマチエールが見えることに気づきました。↓

このマチエールです!!
1版目の下地の色が、紙のポテンシャルのおかげでスポット的に見えています。
絵のクラシカルな雰囲気にも合ってるし、綺麗すぎると「印刷物みたいになる」という懸念も払拭されました。

↑この羊のウール感。。。こんなふうに製版してないのにアルデバランに刷るだけでもこもこになりました。
インクの中に透明インクを混ぜたり、お水を混ぜたりして下のインクを透かす技法はあるけど、まさか紙自体の素材でこんな見え方があるなんて驚きでした。
シルクの紙探しをしている作家さんがいましたらぜひ試してみてください!
版画は完成するまでの間の工程がたくさんあります。紙ひとつでこのような発見があって、思いもよらない表現ができます。
その出会いも楽しいし、これからも試してみたい画材がたくさんあるので制作していく中で実験していきたいと思います。

_展示告知_
ACT小品展2026
■開催期間 2026年4月29日(水・祝)- 5月10日(日)
※5月4日(月)休館
■開催時間 11:00-19:00 最終日は16:00まで
※4月29日(水・祝)16:00-18:00 オープニングレセプション
■オンラインショップ 2026年4月30日(木)11:00オープン
■入場無料
■会場:The Artcomplex Center of Tokyo